ウェブ業界の変革の一年に
新年あけましておめでとうございます。
昨年は政治、経済ともに惨憺たる一年でした。
そして、今年はさらに状況が悪化することが見込まれます。
世界的には通貨の切り上げによる株高はありますが、実体経済は悪化するでしょう。中国に変わる消費の牽引役がいない中で、各国の戦争、エネルギー問題。
そんな中で、一人負けと言われている日本では、政治への信頼が最悪の状況。DXをはじめとする企業のイノベーションへの後押しも息切れ気味です。
そんな中で、ウェブ業界は今年どうなるでしょうか。
私は、いよいよこの業界も二分されると思います。
デザインとしてのウェブと、ビジネスとしてのウェブです。
ビジネスのプロの視点とウェブのプロの視点は異なります。
ここで双方の意見をすり合わせながら、正しいウェブ戦略を立案するのが正しい方法です。
しかし、多くのウェブ制作、ウェブマーケティングでは、
クライアントインタビューから要件定義を引き出しています。
責任が重い戦略についてはかかわらず、手足として働くのみの仕事です。
古くから、多くのウェブ制作会社、ウェブマーケティング会社はこの方法をとっていますが、
ウェブで成果を出すのが難しくなっている昨今では、価値が低いとみなされてしまいます。
これに対して、ビジネスとしてのウェブは、ビジネス成果目標の達成に向けて、
クライアントと共に戦略にコミットしていくスタイルです。
従来はウェブコンサルタントの仕事とされていましたが、昨今のウェブの重要性を考えると、
すべてのウェブプロフェッショナルがビジネスの成果への取り組みにコミットしなければならなくなっています。
競争の激しいいまだからこそ、クライアントが成果を重視し、手足よりも頭脳を求めるようになっています。
すべてのウェブプロフェッショナルがビジネスのプロでもあるべき時代です。
デザインを中心に取り組んできた会社からすれば大変恐ろしい時代になったと感じるかもしれません。
しかしながら、今リスクを取るのが実は最もリスクが小さいのです。
生き残るためには、今年チャレンジしましょう。
一般社団法人ウェブコンサルタント・ウェブアドバイザー協会 代表 権 成俊
最後に、ドラッカーの言葉を贈ります。
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リスクを背負うことで未来が拓かれる
すべての企業が、未来を形成する構想を見つけ出し、その実現に向けて取り組む必要があるというわけではない。実のところ、未来の事業どころか、現在の事業さえ実効的に経営できていない経営陣は多い。
しかし、そのような会社もしばらくの間は何とか生き延びている。特に大企業は、先代の経営者たちの勇気や努力、ビジョンのおかげで、燃え尽きてしまうまでの長い間、これまでの慣性で持ちこたえられるだろう。
とはいえ、遅かれ早かれ、未来は必ず訪れる。未来は必ず現在とは違う。どれほど強力な企業でも、未来に向けて動かなければ、やがて苦境に陥り、卓越性もリーダーシップも失ってしまうことだろう。後に残るのは、大企業特有の間接費だけである。そうなれば、我が身に起こりつつある出来事をコントロールできないばかりか、把握することさえできないだろう。
何か新しいことを起こすリスクを積極的に取っていかなければ、それよりもっと大きなリスクを背負うことになる。すなわち、将来起こることに不意を突かれるというリスクである。
このリスクは、どれほど規模が大きく、経済的に豊かな企業であろうと手に余る類のものであり、またどんな小さな企業でも負わずに済ませられるものでもある。