収益と貢献を一致させる
もっとも人気のある講座が「見積もりとワークフロー講座」です。
見積もりとは費用を見積もることではなく、まずは貢献を見積もること。
そして、そのためのプロセスとしてのワークフローがあり、工数の見積もりが生まれます。
この考え方の裏には、仕事に対する私の哲学があります。
仕事とは、社会の富を増やし、それを関係者の間で分配することです。
当たり前のことのようですが、実は仕事についての価値観は人によってそれぞれです。社会の富を増やさなくても、誰かの財布から自分の財布に富を移すことが仕事だと考える人もいます。
「お金儲けは良いことだ」と言う人がいますが、私は必ずしもそうだとは思いません。
私はお金がその人への感謝の量を反映しているなら、お金儲けは良いことだと思いますが、お金を儲けているからと言って、それだけ社会に貢献しているとは限りません。
一番効率の良いお金儲けの方法は、何もしないでお金だけを移すことです。利権を手に入れることで、不労所得をもらうような経営哲学では、お金を儲けたとしても、それだけ感謝されているわけではないでしょう。 「逆は必ずしも真ならず」です。
誰かが価値を生まずに収益を得ると、社会全体では富が減り、自分がたくさん貢献しても、たくさんもらえない人が生まれてきます。 頑張っているのに報われないわけです。
そうならないように、私は社内外を問わず、「信賞必罰」を心がけています。
自分も社員もお客様も競合も、働いた分だけ報いられなければならないと思うのです。
見積もりには、常にこの価値観が反映されます。
自分はどのくらい貢献しているのか。自分が逆の立場だった時に、この金額は損と思うか、得と思うか。 どちらかに偏っていてはいけません。
見積もりは社会全体の再分配の視点で考えるのです。